笑顔のキミを
「なんだか、すごい迫力でしたね」
「俺も藤森先生があんなキャラだとは知らなかったよ」
「でも面白いしわたしは好きだな。あの先生ならついてきても、全然嫌な気しない」
「だな」
急にいろいろ決まったけど、でもたしかに藤森先生がついてくるなら安心だ。
ナナはモデルだし、千夏ちゃんはまだ高校1年生なったばかりだし、俺ひとりで守れる気がしないから。
「てか、なんだろこれ?」
ナナは藤森先生が置いていったものを手に取って眺めている。
「水風船じゃないですか?」
「水風船?」
「はい、そこに水入れて遊ぶんです。的当てとかしたりして。当たると割れて水がかかるので、当て合いっこしたりしても冷たくて気持ちいいですよ」
ナナははじめてみたのかあまり理解出来ていない様子だったけど、千夏ちゃんの説明をきいて「たのしそう、やろう!」とずいぶん乗り気だ。
さっきの旅行のときといい、ナナはそういう遊びものが好きらしい。