笑顔のキミを


「ねえ、聞いてる?」

「あ、はい。写真撮るの、好きです」

「やっぱり!写真っていいよねー!その人の表情がさコロコロ変わるの、その一瞬一瞬でさ、まったく違うものが撮れるんだもん。わたしは撮られる側だけどやっぱり写真っていいなってすごく思う」


俺の答えを聞いた途端、熱く語りだした彼女。

まるでさっきの子供みたいだ。

一気に表情が明るくなった。

そして彼女はまさに花そのものだ。


「ですね」

それに対して俺は無だった。

わざわざ否定しようとも思わなかった。

昔は人の写真も撮っていたし、彼女のいっていることはすごくわかる。

本当に、一瞬一瞬、一枚一枚、全く違う顔がみられる。

それが写真のいいところだと思う。

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