笑顔のキミを
「ルールなんだしいいよ、ジュースの1本くらい」
さすが、モデル。
いやまあ、たしかにたかがジュース1本なんだけど。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
学校の帰り道に買うという約束をしてそのあとも遊んだ。
結局写真は全然撮らなかったけど。
俺だけ全身びしょ濡れ。
ナナと千夏ちゃんも少し濡れているけど。
俺ばっかり狙われたのは気のせいか?
でもこの暑さだから気持ちいい。
今日、夏の思い出がひとつできた。
咲良が死んでしまったあと経験してこなかった、青春というものを味わった気がした。