笑顔のキミを
「あ、ごめんね。急に。呼び止めちゃって」
「いえ。全然大丈夫です」
「じゃあ、わたしそろそろいくね。またね」
「はい、また」
またね。
彼女はそういって俺に手を振ったけれど、またなんてきっとない。
そう思ったけれど、一応またと返した。
もしかしたらこのときから俺は予感していたのかもしれない。
彼女ともう一度会うかもしれないと。
そして、彼女と出会い、俺の人生はまた違った道へといくということを。