笑顔のキミを
「ナナって転校生じゃないですよね?」
「いや、転校生だよ。今年の4月から。さすがに1年からいて1回も授業にでてないんじゃそれはまずいだろう?」
「今年の4月?」
それってものすごく最近じゃないか。
どおりでなにも知らなかったわけだ。
千夏ちゃんたち1年生も。
「高崎がこの学校にいるのを知ってるのは先生たちと神谷と佐々木だけだと思うよ。高崎がきてるの多分帰りのホームルーム中だろうし、誰にも会ってないだろうから」
思い返してみればたしかにナナはくるのがはやかった。
俺のクラスのホームルームがいくら早く終わろうと、それよりも前にはきていた。
それを不思議に思ったときもあったけどそこまで気にしてはいなかった。
まさかそんな意味があったなんて考えもしていなかった。