笑顔のキミを
「あれからもう2年たつのね」
「うん」
「凛斗が表彰されてからも2年ね」
俺の表彰式の日と咲良が死んだ日は同じ日。
まるで運命のような、幸せと不幸の組み合わせ。
はじめから決まっていたんじゃないかとそんな風にさえ思ってしまう。
「母さん。俺やっぱりカメラマン目指そうと思う」
「・・・そう」
「母さんや父さんが心配してくれてるのはわかってる。咲良が死んでから全然撮れなくなったし、表彰だってあれ以降されてないし、いまはだいぶ腕は落ちてるかもしれない。でも撮りたいんだ」
「つらくない?」
「え?」
「お母さんたちも凛斗の夢は応援してあげたいわ。でもあのときの凛斗の落ち込みようを思い出すとね。凛斗にまたつらい思いをしてほしくないのよ」
「母さん・・・」