笑顔のキミを
「いただきます」
昔はなんでも写真を撮っていた。
こうして食べるごはんも日常に広がっている些細な出来事も。
親の写真だってたくさん。
さっき“なな”がいっていた言葉を思い出す。
表情がコロコロかわる。
全く違った顔が撮れる。
まさに俺は、その顔を逃すまいとばかりに気づけばシャッターばかりをきる生活だった。
笑ったり怒ったり、たまに泣いていたり。
お父さんが仕事をしている姿も、お母さんが家事をしている姿も、すべてをおさめたかった。