笑顔のキミを
人は本音を隠す。
俺も一人は寂しいと思いながらも、寂しくないと嘘をついた。
友達だっていらないと思いながら、人から話かけられたら嬉しかった。
気にかけてもらえたら嬉しかった。
きっと藤森先生もひとりがかっこいいと思いながらも、どこかで誰かに自分をみつけてほしかったのかもしれない。
本当の自分を。
「だから今の神谷みてると俺も嬉しいよ。結局人は一人じゃ生きていけないからな。それに一人だと楽しくないし」
「そうですね」
「なあ神谷。お前はどっちを選ぶ?高崎か佐々木か」
「え?」
「お前だって気づいてるんだろう?2人ともお前に好意があるってこと」
「・・・自分でも、わかんないんです」
「そうか。まあ人生は長いしこれからなにがあるかなんてまだわかんないけどな。でもせっかくの高校生活もっと楽しめよ」