笑顔のキミを
ご飯を食べた後、部屋に戻って今日撮った写真を見返す。
夕日綺麗だったな。
今日の出来事なはずなのに、なぜか遠い昔のように感じる。
それくらいそのあとの出来事が俺の中で大きかったらしい。
“なな”は、どんな表情をみんなにみせているんだろう。
どんな風に、どんな場面で、君は笑うのだろう。
人を撮ることはあのときからできないはずなのに。
なぜか、無性に彼女のことは撮りたいと思った。
それは単純に、俺のことを肯定してくれた気がしたからなのかもしれない。
写真を撮る側と撮られる側という、そんな小さな接点があったから。