笑顔のキミを


「俺はちょっと仮眠してるからお前らだけでいってこい」

「え?みないんですか?」

「いっただろ?邪魔をする気はないさ。それにお前らの腕ならいい写真撮るんだろうから俺はそれをみせてもらえれば十分だ」


別にきてもいいのに。

でもそれが藤森先生の優しさ。

きっといましかできないことを、若い3人で楽しんでこいといってるんだと思う。


「何時間でもいいぞ。戻ってくるときに一本電話してくれれば。お昼はそのあとにでも食べに行こう」

「わかりました。じゃあいってきます」


こんなにいい先生っているんだな。

担任でもなければ、担当教科もない。

ただ部活の顧問っていうだけなのに。

ここまで運転してくれて、それでいて自由な時間には自分はこないなんて。
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