笑顔のキミを


そしてもう一つナナが人気な理由がわかるのは、嫌な顔ひとつせずに対応していることだ。

いつも俺たちにみせてくれる笑顔をみせている。

俺はあんな風に笑顔を振りまくことができないと思う。

嫌な顔してしまうと思う。

仕事できているのならいいけれど、少なくとも今日は合宿とはいえプライベート。



「ナナさんは向こう側の人間ですね。わたしたちと一緒にいるのが不思議です」

「そうだね。でもナナはきっと普通の生活に憧れたんじゃないかな。こっち側にいるナナも本物だと思う」

「ですね。こっちにいるのが演技だとしたらもうそれはモデルじゃなくて女優になれちゃいますよね」

「はは。だね。ナナはしばらく抜け出せそうにないし、2人で回ろっか」

「いいんですか?」

「え、うん。逆に嫌だった?」

「全然そんなことないです」

「他にもエリアがあるみたいだし、もう少しひまわり撮ったらそっちもいってみよっか」

「はい」
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