笑顔のキミを
「はじめからわかってました。凛斗先輩がわたしのことをなんとも思ってないことも。でもなんか先輩の余裕そうな態度みていじわるしたくなっちゃいました。ごめんなさい」
「余裕なんてそんなことないよ。俺だってドキドキした。ただ強がっただけ。でもごめん。千夏ちゃんのことは可愛い妹みたいにしか思えない」
「先輩にひとつだけいいこと教えてあげます」
「?」
「気のない女性には簡単にドキドキしたとかいっちゃいけないです。それがたとえ本当であっても。そういわれて勘違いする女性だっていますから」
「・・・ごめん」
千夏ちゃんの言う通り優しいばっかりはよくないのかもしれない。
その優しさが逆に人を傷つけることもあるのかもしれない。
現に俺の優しさは、千夏ちゃんを傷つけていたんだから。