笑顔のキミを


「凛斗はとっくにわたしの気持ちに気づいてると思ってた」

「それは・・・でもまさかなって思うじゃん。ナナは人気モデルなわけだし」

「凛斗にはそういう風に思っててほしくない。人気モデルとかじゃなくて、ひとりの女の子としてわたしをみてほしい」

「うん。わかってる」


少なくとも俺はナナのことをそうやってみてきたつもりだ。

モデルにだって興味があったわけじゃないしファンだったわけでもないし。

俺が知ってるナナは写真を撮ることが好きなどこにでもいる普通の女の子だった。

まあ合宿のときみたいにあんな場面をみちゃったらやっぱり人気モデルだとは思わざる得なかったけど。



「こんなこと聞いたらあれだけど、咲良のことはもういいの?」

「・・・咲良のことはきっとずっと忘れられないし好きだと思う。でもあのとき感じた気持ちと同じくらい、今はナナのことが好きだなって思う」

「ふふ。嬉しい」


いつから好きだったのかとか、なんで好きになったのかとかそういうのは正直わからない。

ただ、気づいたら好きになってた。

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