笑顔のキミを


「体育館暑すぎてびっくりしました」

体育館外にでると千夏ちゃんはそういって手をパタパタとさせた。


「俺も。あんなに蒸してるとは思わなかった。体育のときも使ってるはずなのに全然違った」

「わかります。ちょっと尊敬しちゃいました」


写真部のような文化部にはわからない空気感だったな。




2階は真ん中に網があってそれで仕切られてるだけだけど、1階は廊下があって部屋がそれぞれ分かれている。

だからなのか廊下は涼しいと感じられるのが不思議だ。


「おお、神谷じゃん」

卓球部の部屋に入るとやっぱり暑かったけれど。

そしてそこには最近クラスの席が前後になって喋るようになった上野くんがいた。


「上野くん卓球部だったんだね」

俺ってやっぱり何も知らないよな。

喋るようになったっていったって上野くんがよく喋ってくれるからそれに答えているようなもんだし。

「そうなんだよー。まあ適当に撮っていってよ」

「了解」

適当ってってつっこみたくなったけどそこはあえてスルーして俺はカメラを構えた。
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