笑顔のキミを
写真を撮っていって気づいたのは上野くんが部長らしいということだ。
俺も一応写真部では部長ってなってるけど年上のナナもいるし、いって部員3人だしナナも千夏ちゃんも自由に発言するし、そこまで部長感がなかったんだけど。
上野くんはみんなに指示したり教えたりしながらまわりをみててきぱきと動いている。
それをみてやっぱり思った。かっこいいと。
この頼みを引き受けて写真を撮り始めたときから、俺はもう何回、何十回かっこいいと思っただろう。
そして何回わくわくしただろう。
この感情は久しぶりだ。
小学生の頃、まだ隣には咲良がいた頃、まわりの目なんて気にせずに写真を撮り続けていたあの頃。
先生に怒られようが、友達に怒られようが俺は写真を撮っていた。
毎日わくわくして楽しかった。
あのときの感情が今になってようやく感じられるようになった。