笑顔のキミを
「凛斗先輩はもっとわがままになっていいと思います」
「え?」
ナナがトイレにいってくると教室をでてすぐ千夏ちゃんは俺の目をみてそういった。
「先輩遠慮しすぎですよ」
「・・・わかる?」
「わかりますよ。ナナさんもきっと話してくれるはずです」
「そうだといいんだけどな。・・・難しいな」
難しい。とても難しい。
たしかに俺は遠慮してる。わがままもいってない。
モデルのことを知っているからナナの私生活を邪魔したくないとさえ思っている。
でも、遊びに行きたい。もっと会いたい。
矛盾。葛藤。こんな感情知りたくなかった。