笑顔のキミを


「わたし、ナナさんと先輩が付き合えたのこれでも結構喜んでるんですからね?」

「・・・」

「わたしは後悔してないです。先輩に想いを伝えたことも、ふられたことも。それなのにせっかく付き合えた先輩が後悔しててどうするんですか」


千夏ちゃんのいっていることは正しい。

やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいいっていう言葉をよく聞くけど。

いま俺が置かれている状況はまさにそれだ。

告白したのにいまさらなにを迷ってるんだって話だよな。



「ありがとな」

「いえ。わたしはずっと2人の味方だし、応援してますから。・・・というかナナさん遅くありませんか?」

「いわれてみればたしかに」


時計をみるとさっきから20分近くたっている。


「わたしちょっとみてきますね」

今までこんなに長く帰ってこなかったことはなかった。

なんだか急に胸騒ぎがして心臓の音が早くなる。

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