笑顔のキミを


「ぐすっ、ぐすっ」

さっきまでのがやがやがなくなり静寂。

その中に千夏ちゃんの泣き声だけが響いている。


救急車が到着したとき俺と千夏ちゃんも行きたいといったけど先生が行くからとりあえず待ってろといわれた。

そして運ばれたあと、相当な質問攻めにあった。



「あれってモデルの高崎ナナだよな?」

「なんでこの学校にいるの?」

「ナナちゃんも写真部だったの?」


同じような質問がたくさん。

マスコミに追いかけられてる気分になった。


でも、俺も千夏ちゃんも相当なダメージを受けていたしナナが隠していたことを俺たちからいうのはなにか違う気がして。


「ごめん」


それだけいって俺と千夏ちゃんはそこから抜け出して写真部の教室に戻ってきた。

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