笑顔のキミを


「凛斗が考えてること絶対違うからね」

俺の心を見透かしたようにナナははっきりといった。


「咲良が死んだのも、わたしがこうなったのも、凛斗のせいじゃないから」


ずっと自分を責めて生きてきた。

どうせ誰かを傷つけてしまうなら誰とも関わらずにいようと。

写真を撮ることでなにかを失ってしまうなら、もう写真を撮ることをやめようと。


咲良が死んだあの日からそう思って生きてきたのに。


今の俺は全然違う。

千夏ちゃんとナナと関わることが、クラスメイトと関わることが、先生と関わることが、写真を撮ることが、こんなにも自分の人生を変えた。


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