笑顔のキミを


「ナナ」

「ん?」

「ナナが倒れた日、生徒たちにばれたよ」


タイミングが違うかもしれないけど、どうせならいまここではっきりとさせたい。

ナナが隠してたことも含めて、ナナのことを全部知りたい。



「そっか。最悪な形でばれちゃったな」

「・・・俺知ってた。ナナが授業にでてないことも、転校してきたってことも」

「そっか。黙っててごめんね」


もっと驚くかと思ったのに、意外にもナナは冷静だった。



「なんで黙ってたの?」

「特にそんな大きな意味はないの」

「俺ショックだったよ。ナナのこと何も知らないって。千夏ちゃんも悲しんでた」

「そんな風に思っててくれたんだね」

「当たり前だろ?」

「・・・これをいったら凛斗にひかれるかもしれないって黙ってたんだ」

「俺はひかないし、それでナナのこと嫌いになることもないから教えて」


ナナの隠していたことが俺に関わることだったなら、なおさら気になる。

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