笑顔のキミを
「ううん。よかった」
「?なにが?」
「ナナが俺のこと好きでいてくれてよかった」
「ふふ。なにそれ」
モデルの仕事でいっぱいいっぱいで俺のことなんて好きじゃないと思ってたけど、でもそれも俺の大きな勘違いだったんだよな。
俺っていつも遠回りだ。
「ナナはずっと俺の隣で笑ってくれてたらいいから」
「うん。そうさせてもらいます」
これでまたひとつ溝がなくなった。
ナナが笑った顔をみながら、この先もずっとこの笑顔をみていたいと思った。
いつか展示会を開いたら俺の大好きだった咲良の笑った写真と一緒に、ナナの写真もたくさん飾ろう。
そして自慢するんだ。
俺の大切な人ですと。