笑顔のキミを
「うわー!すごい!」
山梨はきたことは何回かあった。
旅行もそうだし、撮影でも。
でもこうして友達とくるのははじめて。
同じ景色なはずなのに、同じ富士山なはずなのに、こんなにも違う風にみえるものなんだ。
ひまわり畑についてその景色に感動している中、わたしはすぐに声をかけられた。
「モデルのナナちゃんだよね??」
「いえ、人違いです」
サングラスと帽子を外さないようにして声も変えた。
凛斗と千夏ちゃんはすぐにばれるよ、逆にオーラあるよなんていってきてそんなことないでしょって思ってたけど、やっぱり逆効果だったみたいだ。
「いや!絶対ナナちゃん!」
そしてしつこい。
みればわかるでしょ?
ここにはカメラマンもいないしスタッフもいない。
わたしプライベートできてるの。
邪魔しないでよ。
心の中でそう叫び続けた。
助けを求めるように凛斗と千夏ちゃんに視線を向けた。
でも2人は仲よさそうに写真を撮り合っていた。