笑顔のキミを
求められる握手。写真。
観光地だからか人が本当に多い。
わたしは写真を撮りにきたのに。
逆に撮られてばっかり。
これじゃあ撮影と変わらない。
凛斗と千夏ちゃんがいた方向をちらっとみるといなくなっていた。
ああ、わたしを置いていっちゃったんだな。
わたしここにくるべきじゃなかった?
やっぱりわたしは普通の女の子ではいられない?
笑顔を絶やさないように、まるでロボットのように、わたしはみんなの期待に応え続けた。
はやくこの時間が過ぎ去ってしまえばいいと思いながら。