笑顔のキミを
愛おしい
*
「ナナ、今日の帰りちょっと話したいことがあるんだけどいい?」
凛斗からそういわれたとき内心ドキドキしていた。
そんな風にいわれたことなんて今までなかったし。
でも期待はしないようにした。
千夏ちゃんから両想いですよなんてからかわれていたけど。
人の気持ちなんて結局わからないから。
合宿の写真整理。
相当な枚数だ。
わたしたちはびっくりするくらい写真を撮り続けていた。
気付いたら首から下げているカメラを手に取ってシャッターを切っていた。
どの瞬間も決して逃さないようにとそれこそ必死に。
ぶれぶれの写真もたくさんあるし変な顔もたくさんあるしなにこの写真っていうよくわからない写真もたくさんある。
でもどれもこれも、大切な一枚に変わりはない。