笑顔のキミを
「あ、自己紹介してなかったね。高崎ナナ。よろしくね」
あえてなのかわからないけど彼女は自分の名前を紙に書いた。
“なな”はカタカナだったんだな。
「神谷凛斗です。よろしく」
「うん、知ってる」
「ナナさんは、本当にこの部活に入るつもりですか?」
「もう!だから堅苦しいんだってば、ナナでいいよ、ナナで。あ、わたしも凛斗でいい?」
年上だからナナって呼ぶのはどうも気が引ける。
千夏ちゃんも最初の頃は年下なんで呼び捨てでいいですよっていってきたけど、どうしてもそれに慣れなくて結局いまだに千夏ちゃんだもんな。