笑顔のキミを


「神谷凛斗さんですよね?!」

「表彰されたときの展示会いきました」

「ずっとファンでした」


俺がこの学校に通っていることは知らないはずなのに。

どこから情報が漏れたのかわからないけれど、一躍俺は有名人になった。

咲良の写真をみて俺を知ってくれた人が、わざわざ文化祭のときに会いに来てくれた。


嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちと、いろんな気持ちが入り混じった。


まあそんなことがあったおかげか写真部という存在が大きくなった。


ただ、申し訳ないけど入部はお断りした。

そんな権利なんて俺にはないのかもしれないけど。

本気で撮りたい人ならいくらでも入ってほしい。

でもナナ目当てとか、俺目当てとか、そんな軽い気持ちで入ってほしくない。


いまはこの3人でいれれば十分なんだ。

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