笑顔のキミを


「俺は大丈夫だけど、やっぱり呼び捨ては・・・」

「だめ!ナナって呼ばないと罰金だからね」

また罰金か。

好きなのかなそういう制度みたいなやつ。


「わかったよ」

なぜか逆らえない。

彼女の掌の上でうまいように転がされているような感覚。

でも、その感覚が嫌いじゃなかった。




「あ、それでこの部活に入るかって質問だったよね。うん、入る」

「でも、もう3年ですよね?受験とかは・・」

まだ4月。

でも、それでも普通は6月くらいには引退するんだろうし。

今から入ったってあと2ヶ月。

それに、ここは写真部。

写真を撮る方が専門。

でも彼女は撮られるほう専門なはずだ。
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