笑顔のキミを
「っ」
ほんの一瞬だったけど、ナナの顔が赤くなった気がして。
まあ俺もそんなナナをみて恥ずかしくなったんだけど。
でもお互いなにもいうことなく恋人繋ぎのまま館内を回った。
写真を撮るたびに離された手だったけど何回でも繋ぎ直して。
「結構人いるね」
「うん。座れるかな?」
「あ、あそこあいてるよ」
イルカショーの会場は15分前なのにすでにたくさんの人がいた。
まあ水族館の醍醐味といえばイルカショーみたいなところあるもんな。
勝手な偏見だけど。