笑顔のキミを


無事座れた俺たちは始まるまでの間、今まで撮った写真を見せ合った。

やっぱり同じものを撮っているのに撮る人によって全然違うものになる。

角度とか光の入り具合とか大きさとか。



「ナナは本当に撮るのうまくなったね」


はじめて夕日を一緒にみたあの日。

ナナの初写真はぶれぶれでピントもあっていなかった。

それがいまではこんないい写真を撮るんだもんな。


「凛斗にいわれると嬉しいよ」

「ナナ・・・「お集りいただいたみなさまありがとうございます。まもなくイルカショーがはじまります」


喋りかけたタイミングと館内放送がかぶった。


「ん?なんかいった?」

「ううん。なんでもない」

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