笑顔のキミを


「いいの。わたし卒業してもモデル続けるつもりだからさ。別に運動部とかと違って引退試合とかあるわけじゃないじゃない?だからここに居座っても問題ないでしょ」

ナナの言葉に、この人はモデルなんだと認識した。


「まあ、そうだけど・・・」

「だめ?」

「いや、だめじゃないけど・・・」

「もう、けどばっかり」


俺にはダメという権利もいいという権利もない気がして。

決めるのは彼女自身だから。

ナナがやりたいと本気で思うなら、それはいいと思うし。

藤森先生がなにかを言うとも思えないし。


「ナナが入りたいなら、俺はいいよ」

そう、俺はどっちでもいい。
< 32 / 390 >

この作品をシェア

pagetop