笑顔のキミを


不安はある。

ナナは来年の話をしてくれたけど、俺とナナは来年も付き合っていられるんだろうか。

いまだって人気者なのに女優の仕事をし始めたら、テレビにでたりしたら、ナナは俺のことなんてどうでもよくなるんじゃないかとか。

そんな先のことばかり考えて不安になる。



「凛斗ってわかりやすい」

「え?」

「顔にかいてあるよ」

「・・・。ごめん」

「わたしを信じて。これから先もずっと」


俺はいつになったら二人みたいな強い人間になれるだろう。

このころの俺はいつまでもずっと弱いままだったな。

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