笑顔のキミを
「優しすぎる凛斗先輩が、大好きで、大嫌いでしたー!!」
こんなんで気持ちがすっきりするほどわたしの想いは軽いものではなかったけど。
でも忘れたいんだ。
それはこの前告白してきてくれた彼のためにも。
次の恋に進むためにも。
絶対わたしには向いてくれない人を想い続けるのはつらい。
「さよなら。わたしの初恋」
散々泣いてもう涙は枯れたはずだけど、きっと家に帰って写真を見返したら泣いちゃうんだろうな。
でも今日でそれも終わり。
もう振り返らない。
明日からは大事な先輩、お兄ちゃん、そんな存在になってる。
そう自分に言い聞かせて、わたしは冬の海をあとにした。