笑顔のキミを
「ここは結構積もるよ。よく遊んだの覚えてる」
そういえば咲良も雪が積もるたびにめっちゃ喜んでたな。
雪だるまを作ってると思えば写真を撮ってる俺に向かって雪を投げてきてそっから雪合戦がはじまったり。
楽しかったな。
「ねえ!雪!降ってない?」
窓の外を指さしたナナ。
視線をそっちにうつすとたしかに白いものがみえた。
「降ってるな」
12月に入ってはじめての雪。
そして今年きっと最後の雪だろう。
「わあー感激」
まるではじめて雪を見たかのようなナナの反応に、俺と千夏ちゃんは笑った。