笑顔のキミを


「なんかこの1年あっという間だったね」


だいぶお腹いっぱいになってきたころ、ナナがどこか懐かしむように呟いた。

もうあと1週間もすれば年越し。

咲良が死んでからは1年が長くてこのまま一生地獄が続いていくんだと思ってたのに、今年はほんとにあっという間だった。


とても濃く、俺の胸に刻まれた。


それはきっとナナも千夏ちゃんも同じなはず。

だからこそもう二度と訪れないこの1年にしがみついていたくもなる。
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