笑顔のキミを
「ナナはどうして、モデルになったの?」
ふときいてみたくなった。
写真を撮られる側の気持ち。
「うーん、なんでだろう。自分でもわかんない」
「そうなの?」
「うん。友達に勝手に写真送られてさ。それで届いた結果は合格」
「すごいじゃん」
「そりゃあ嬉しかったよ。でもさ、いまだにわかんないんだよね。カメラを向けられるとさ、笑わなきゃっていう気持ちがあって。でも、人って笑えないときだってあるじゃん?」
「そうだね」
「そういうときにもさ、笑わないといけない。それがしんどいときもたくさんある。でも、応援してくれる人がいるから頑張りたいなとも思う。ただ、それだけ」
「それでも、えらいよ。ナナはすごい」
本当にそう思った。
俺は子供の頃から夢だったし自ら歩んできた道だけど、ナナは違うのにいまでもちゃんとモデルを続けててすごいなって。