笑顔のキミを
「先輩!どこ行ってたんですかーー!」
「ああ、屋上に」
「わたしも連れってくださいよ」
「だってもうとっくに帰ってると思ったから」
「ひどいなあ」
「ごめん」
神谷凛斗。
高校2年生になったばかり。
俺は写真部に所属している。
っていっても、本気でやっているのは自分だけ。
1人だから廃部になるんじゃないかって思ったときもあったけど、なんでもこの学校は必ずどこかの部活に所属していないといけないという校則があり、この写真部にも俺の他に同級生が10人ほどいる。
けどその人たちは、幽霊部員。
初日に挨拶だけしてそれ以降は一切顔をみていない。
でも俺にとったらそれでもいい。
むしろ俺の時間を邪魔されないからいいか。という感じ。
それに廃部という危機を逃れることができたんだから感謝したいくらいだ。