笑顔のキミを
「静かだね」
千夏ちゃんが去っていったあと、さっきまでの明るさが嘘のように静か。
「今日は、どうしよっか」
正直、毎日毎日ここにきているけれど本当になにもすることがない。
ひとりだったらよかった。
何も気にせず撮った写真を眺めているだけでも時間があっという間に過ぎていったから。
でも今は違う。
「凛斗は、ここにひとりで寂しくなかったの?」
「・・・うん。寂しくなんかないよ」
本当は寂しいけれど。
外で部活をしている、汗をかいて必死で練習をしている人たちをみると、どうしようもなく寂しくなる時もあった。
自分はなにをしているんだろうと。
どうして彼らのように俺は生きられないのだろうかと。
自分を責めた。
あのとき守ることができなかった自分を責めた。
ひとりで生きていくことになってしまった自分を、責めた。