笑顔のキミを
「ねえ凛斗、わたしを撮ってみない?」
「・・・無理だよ」
どうして今、そんなことをいうんだろう。
「わたしはいなくなったりしないよ」
まるで俺の心の中を知っているかのような口ぶり。
でも、ちゃかしてるわけではない。
彼女の目は真剣だ。
「凛斗の前で、ずっと笑っていられるよ」
「ナナに、なにがわかるの?」
「わたしはただ・・・凛斗がまた人を撮れるようになれたらいいなって、その手伝いがしたかった」
「それが、この部活に入った目的?」
「それもあるけど・・それ以外にも・・・」
「だったらやめろよ。俺はもう人なんて撮れないし、撮りたくもない!」