笑顔のキミを
俺の存在
*
あれから月日がたち、6月になった。
梅雨にはいったせいで屋上に行くこともできない。
夕日だって月だってみえないし、人を撮ることができない俺にとってこの季節は嫌い。
「ナナさん、今日もこないですね」
あの日からナナは顔をみせなくなった。
いたのはたったの2日間。
千夏ちゃんは結局あの日しかナナに会うことができなかった。
「忙しいのかな、仕事」
「そうかもね」
こなくなったのは俺のせいだけど。
でも、実際ナナは高校生とはいえ、モデル。
仕事をしていてお金だってもらえる。
所詮俺みたいな普通の高校生とは違うんだ。