笑顔のキミを
「先輩!聞いてます?」
「あ、ごめん」
そんな幽霊部員が多い中、ひとり。
今年の春入学してきた子。
佐々木千夏ちゃん。
この子だけはやけに俺につっかかってくるんだ。
でもこの子も所詮は幽霊部員と同じ。
写真を撮ってるところなんてみたことがないし、部活の始まりのときは必ず顔をみせるけど、少し話したらそのまま帰る。
いままででも最多で10分くらいだろう。
「今日は残ってたんだな」
それなのに、今日はいる。
もう18時半。
いつもならとっくにいない。
というか、さっき俺が屋上に行くまではいなかったはずなのに。