笑顔のキミを
プロのカメラマンを本気で目指していた。
人々を喜ばせるような綺麗な風景を、たくさんの人にみせたかった。
自分が撮った写真だけが飾られた展示会をやってみたかった。
撮れない理由はわかってる。
誰のために撮ったらいいのかわからなくなったから。
自分が写真を撮る意味がわからなくなったから。
「わたしは凛斗先輩の撮る写真すごく素敵だと思います」
俺の心を読み取ったのか、それともただそういっただけなのか。
「先輩、わたしがどうしてこの部活に入ったんだろうって思ってません?」
「・・・思ってた、いまでも思ってるけど」
「はは、やっぱり。まあそうですよね。結局わたしもすぐ帰るし、幽霊部員たちとなにも変わらないですもんね」