笑顔のキミを
「先輩のようにうまくは撮れないけど、でも自分なりに研究はしてたんです」
「研究?」
「はい。どうやったらその人のいい表情を写せるかなとか。あ、すいません」
「謝らなくて大丈夫だよ」
千夏ちゃんはあの日からやけに俺に謝る。
でも全然気にしてない。
むしろ千夏ちゃんが撮る写真は、そこに写っている人は、いい表情をしてる。
その一瞬一瞬を逃さまいと、千夏ちゃんは必死になってシャッターを切っている。
その姿はとてもまぶしく、俺にとったらうらやましいものでもあった。
俺も昔はあんなだったのかな。