笑顔のキミを
「神谷凛斗。有名だよ。すごくいい写真を撮る天才だっていわれてる。ねえ凛斗。もう一度、人を撮ってみようよ」
「でも、俺は・・・」
「少しずつでもいいじゃん。はじめは無理でも、後姿とかでも。わたしいくらだって凛斗の練習に付き合ってあげるよ。というか、むしろ嬉しいよ。凛斗のためになにかできるなら」
「ナナ・・・」
「わたし、凛斗の前で絶対笑うから」
咲良、俺はまた人を撮れるかな。
でも怖いんだ。
手が震えて、足が震えて、心臓がバクバクして。
もう、傷つきたくないんだ。