笑顔のキミを
「凛斗の撮る写真が、わたしはすごく好きだよ」
千夏ちゃんやナナなら、俺は撮ることができるかな。
俺を認めてくれている2人なら。
俺の前からいなくならない2人なら。
「俺が撮ったことで、不幸になるかもしれない」
自分が傷つきたくないだけじゃない。
誰のことも傷つけたくない。
「咲良はきっと凛斗のそんな顔みたくないと思うよ」
「っ・・!咲良のこと、知ってるのか?」
「知ってる。全部、知ってるよ」
「でも、俺なにも話してないのに、なんで」
ナナには驚かされてばっかりで疑問ばっかり。
俺は何回ナナに「なんで」というセリフを言うんだろうか。