笑顔のキミを
咲良、俺もう一度頑張ってみようと思う。
きっとナナや千夏ちゃんを撮ろうとしても、咲良の姿にみえてしまうんだろうけど。
手が震えて、上手くシャッターを切れないかもしれないけど。
でもいつか、あのとき表彰された写真のように、いい写真を撮ってみせるよ。
だからみてて。
俺が夢を叶える瞬間を。
俺は小指を、ナナの小指と合わせた。
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指切った」
少なくともこのときの俺は笑ってて、そして幸せだった。