笑顔のキミを
「わたしいますごく楽しいです。こんなに楽しいものがあるなんて知らなかった」
いまでは俺よりも写真を撮っていると思う。
やっぱりその姿はキラキラ輝いていて。
撮りたいという気持ちは前より強い。
撮れるものなら、撮りたい。
2人とも前に進んでいるのに、俺だけ置いてけぼりなんて嫌だ。
そう思って俺は2人にカメラを向けた。
人差し指を下に動かせば写真が撮れる。
そんなに力をいれなくても少し押せば。
そう思っているせいなのか、変に力が入ってしまう。
でも、その力が入った指を下におろした。