笑顔のキミを


「わたしいますごく楽しいです。こんなに楽しいものがあるなんて知らなかった」


いまでは俺よりも写真を撮っていると思う。

やっぱりその姿はキラキラ輝いていて。


撮りたいという気持ちは前より強い。

撮れるものなら、撮りたい。


2人とも前に進んでいるのに、俺だけ置いてけぼりなんて嫌だ。



そう思って俺は2人にカメラを向けた。

人差し指を下に動かせば写真が撮れる。

そんなに力をいれなくても少し押せば。

そう思っているせいなのか、変に力が入ってしまう。


でも、その力が入った指を下におろした。
< 82 / 390 >

この作品をシェア

pagetop