笑顔のキミを
感動と悲しみの涙
<ナナside>
あの日、わたしは感動した。
いとこの咲良に誘われて、表彰式に行ったときのことだ。
さほど興味はなかったけれど、咲良の幼なじみである男の子が写真で賞を撮ったから。
行こうよといわれて、断れなくて。
それに、咲良の幼なじみを一度みてみたかった。
咲良が恋をしている、その幼なじみの存在を。
その日、咲良は亡くなったのだけれど。
でもわたしはその日、彼に会った。
神谷凛斗。
咲良を失った代わりに、またわたしは大切な人を手に入れたのだといまは思う。