笑顔のキミを
嘘だよ。
だってこのときの撮影、覚えてる。
わたし全然笑えなかった。
これは、偽の笑顔。
ねえ、わたしたちいとこだよ?
小さいころから、よく遊んだりしてたじゃん。
それなのに、この笑顔は本当に綺麗だと思うの?
馬鹿にしないでよ。
心の中でそう叫んでた。
それから、3年の月日はあっという間にすぎた。
今思えば、咲良は嫌味でいってたわけじゃないんだと思う。
別に本物だとか偽物だとかそういうの抜きで、単純にわたしの笑顔がいいといってくれてたんだ。
それはずっと一緒にいたからこそ。
それなのにひねくれてたのはわたしのほうだったね。