東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18
クルッと踵を返し、飛ぶように廊下へ出る。

――知るもんか!

もう遠慮なんかしない。

氷室専務と東堂副社長が親しい間柄だとわかったいまは、遠慮もへったくれもない。クビになったところで『ヒムロス』に迷惑をかけることはないのだ。

明日からゴールデンウィークで休みに入る。こうして偶然顔を合わせる心配もない。

閉じたエレベーターに向かって舌を出した。


「べーーだ」


< 82 / 394 >

この作品をシェア

pagetop