溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
「なにそれ!私の知らない所で、ムッチャ面白い事になってる!」
昨晩、奈津に軽く事情を話し大学は全休の日だったがお互いの家の中間あたりで会う事になった。
一昨日、居酒屋で奈津と青依先輩と別れた後の話を詳しくすると最後まで何も言わず話を聞いてくれたが、途中から人の気も知らずワクワクした目に変わった。
そして話終わった最初の奈津の感想がこれである。
「シッ!奈津、声大きい。」
「だって、これが興奮せずにいられる?ここ最近の食べサーの人気2TOPの内の一人からの告白だよ。あー、あんなにグイグイ行ってた唯が聞いたらどんな状態になるんだろうね。楽しみー。」
ものすごーく人に対しての好き嫌いがハッキリしている奈津、今すごいゲスい顔になってるよ・・・。
「まあでも、やっとって感じだけどね。」
「えっ?」
だって大輝先輩は新歓の時から李子の事、好きだったって言ったんでしょ?と奈津の説明は続いた。
私自身も確かに親切?優しい先輩で可愛がってもらってる感はあったけど、まさか好きでいてくれたとは思ってなかったのに、奈津を始め周りの大半の人は先輩の言動で私の事を好きなのは知っていたらしい。
確かに当時四年だった先輩は今の私のように週一日学校に来るだけで良かったはずだが、私達が食べサーに顔を出すとかなりの確率で先輩がいたっけ。
それで先輩が彼女と別れたから卒業までに私と付き合いだすか賭けをしていた人もいたらしく、先輩と同期の人達は当時『何で告白しないんだよ。負けたじゃん。』と言っていた人もいるらしい。
まさか知らない所でそんな事が起きていたとは・・・。
「でっ、李子は何悩んでんの?」
「えっ、話しちゃんと聞いてた?」
「聞いてたけど?大輝先輩ならいいじゃない。私は付き合うの大賛成だけどな。」
「いやだから、知らなかった二面性を知って戸惑ってるって言うか、なんと言うか。」
うーん、なんて言ったらいいんだろう。怖い・・・、とも違う。
聞いた時は少し怖いと思ったけどイヤとは感じなかったし。
甘やかされればされるほど、心地いいと感じたのも確か。
「でも、その二面性も李子に対して限定でしょ?話しを聞く限り李子に嫌われたくなくてそうなってたって感じだし。そ・れ・に、キスもSEXも相性よくて気持ちよかったんでしょ?ならいいじゃない。李子はお固く考えすぎだと、いつも思ってた!」
「うっ。確かにそうなんだけど・・・。」
「もうOKの返事もしちゃったんだから当分様子を見てみたら?」
「う・・・ん。」
奈津に相談して逆に言いくるめられた感が凄くある。
でも先輩の事は嫌いではない。どちらかと言うと好きだ。
言い方はおかしいかもしれないが腹をくくってお付き合いをすることにした。
「よし!先輩と付き合います。先の事は付き合ってみてから考える事にするよ。」
「それでいいと思うよ。自分に彼女がいた時もちゃんと別れるまで何も行動しなかったんでしょ?最低の奴なら途中かぶってたりもする事あるのに、それをしなかったって事は誠実でいいと思うよ。」
「確かに。」